いろいろなタイプの墓地とお墓

現在では様々な墓地やお墓を選ぶことが出来るようになりました。お墓を作る「墓地」のタイプ、そして「お墓」自体のタイプをご紹介します。

墓地の種類 「公営」「寺院」「民営」の違い

都立青山霊園

都立青山霊園
写真Wikipedia

現代の墓地は古くからある共同墓地や集落墓地、個人墓地をのぞけば、「公営墓地(公営霊園)」「寺院墓地」「民営墓地(民営霊園)」の大きく3つに分類できます。
「公営墓地」は地方自治体が管理・運営するものです。「寺院墓地」と「民営墓地」はどちらも宗教法人が運営するものです。寺院に付属し檀家制度を基盤としている「寺院墓地」と経営母体は宗教法人であっても、宗旨・宗派不問の墓地として販売されている「民営墓地」があります。

それぞれに特徴とメリット、デメリットがあるので、まとめてみます。

公営墓地(公営霊園)

公営墓地は、都道府県や市町村などの自治体や、そこからの委託された法人が管理・運営している墓地です。

メリット デメリット
  • 経営・管理体制が安定している。
  • 永代使用料が割安
  • 管理料が安い
  • 宗教不問
  • 募集数が少ない。
  • 募集期間が短い。
  • 「すでに遺骨を持っている」など、申し込み資格に制限があることが多い。

民営墓地(民営霊園)

宗教法人・公益法人が運営する経営している墓地のうち、宗教・宗派不問の墓地として販売されているものが「民営墓地」です。墓地埋葬法で、遺骨は墓地に埋葬する必要があり、墓地は「宗教法人」しか設置できないので、寺などの宗教法人が事業主となっていますが、実際には石材店や開発業者が墓地を開発しています。

また、時には寺院の一角にあり、別に「檀家にならずに墓地を購入出来るエリア(宗教自由の区画)」を設けている場合もあります。

※「宗教・宗派不問」については右のコラム「注意したい「宗教(宗旨)・宗派不問」」をご覧ください。

メリット デメリット
  • 沢山あるので比較検討しやすい
  • リーズナブルな価格のところも増えている
  • 資格条件はほとんどない
  • 宗教・宗派不問
  • 解約などのトラブルが少ない
  • 永代使用料・管理料は公営に比べて高め。
  • 石材店は指定業者制になっていたり、墓石を自由には選べないこともある
  • 交通の便場があまり良くないことが多い公共の交通機関ではお参りしにくい場所にあることが多い。
  • 管理や運営に差がある。(管理団体の運営に注意が必要)

寺院墓地

一般的な「お寺のお墓」。寺院の境内か隣接する場所にあり、基本的に承継が前提のお墓で、檀家となることが必要な墓地です。

メリット デメリット
  • 宗教施設付属で、手厚く供養されているという安心感がある。
  • 比較的立地条件の良い場所にある。
  • 管理が行き届いている。
  • 宗教・宗派が限定される。
  • 寺院との相性、住職の人柄などに左右される部分がある。
  • 石材店を指定されることもある
  • 管理料(護持会費)のほかに、法事や寄付が義務となり見えない出費が多い(参考:お墓の悩み:費用が高い

 

さまざまなお墓のタイプ

家墓

「○○家の墓」。子孫が受け継いでいく(承継する)ことを前提とした従来型のお墓です。詳しくは「お墓って何?」をご覧ください。

永代供養墓

高源寺の永代供養墓(静岡)

高源寺の永代供養墓(静岡)

寺院や墓地が永代にわたって供養するという意味の墓で、承継を前提としない(継ぐ人がいないくてもいい)お墓です。遺骨は期限を定めて個別の骨壷のまま収蔵し、後で合祀(複数の方の遺骨をまとめて収蔵)するタイプと、最初から合祀するタイプがあります。

現代の「お墓を継ぐ人がいない」という問題の解決方法として、人気が高まっています。詳しくは「永代供養」をご覧ください。

その他のタイプの墓

社会のニーズに合わせて、新しいタイプのお墓も増えてきました。

個人墓

個人で入るお墓。偉人や著名人のために作られたで個人墓は観光名所になることもあります。一般の方でも、故人の趣味や人柄を彷彿させる個性的な形や墓碑銘にする人もいます。

一方、承継者がいない場合で、永代供養を希望しているが、合祀されるまでの間は独立したお墓のかたちをとるような個人墓も登場しています。

夫婦墓

夫婦が2人で入るお墓。上記の個人墓のケースと同様、承継者がいないことが前提で、合祀されるまでの時期を独立したお墓とするための墓であることが多いです。例として「承継者がいなくなってから10年管理されたのち合祀」というような条件が付帯されている事が多いです。個人墓、夫婦墓は寺院墓地ではなかなか見られない形式だと思います。

両家墓

お墓を継ぐ(承継)という事」で検証したように、多くの夫婦が2つ以上のお墓を管理していなければいけないケースが非常に多くなってきています。2つの墓所が遠方で、また、現在管理する人が居住する地域と離れているといったケースでは、家の苗字にこだわらず、一緒に納骨をすることもあり、両家墓と呼ばれます。墓石には両家の姓を刻むこともありますが、最近では「愛」「絆」など抽象的な文言を刻むことが多いようです。

関連情報

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色々なお骨の収蔵方法

「お墓に骨を納める」という時、どんなイメージを持っていらっしゃいますか?全国的にはいろいろなご遺骨の納め方があるんです。

骨壺で納める

 関東、東海、地方の方はこのイメージでしょうか。大きな骨壺をそのまま納骨します。納骨部分の床は通常コンクリートなどで固められています。骨壺の数が多くなってくると収蔵できなくなるので、適当なところで古いものから合祀にしたりするか、別にお墓を用意する必要があります。

お骨をさらしでくるんで納める

近畿地方や西の方に多い形。拾骨は小さめの骨壺に行いますが、お骨をおさめるときにはお骨をさらしにくるんで、お墓の中におさめます。お骨をおさめる部分の床は土なので、最終的には袋と共にお骨も「土に還る」わけですが、かなり時間がかかります。。

お骨を直接納める

東北地方などでは、納骨部分の床の土の部分に直接お骨を撒きます。以前亡くなった方のお骨とすぐに混ざってしまいます。これを前提としているので、東北地方で拾骨する時には、霧の箱に直接お骨を入れて、骨壺を最初から使わないことが多いです。

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注意したい 「宗教(宗旨)・宗派不問」

霊園等のチラシには良く、この「宗教(宗旨)・宗派不問」が見受けられます。ほとんどのケースが文字通りですが、中には紛らわしいケースもあります。ぜひ事前の確認をお勧めします。

  • 宗教(宗旨)・宗派不問:宗教や宗派を問わない、ということです。(神道やキリスト教でも問題ない)
  • 宗派不問:仏教であれば宗派は問いません、という事。ただし、寺院付属の「檀家にならない墓地」の場合、法事などはその宗教施設でお願いする事前提としているケースや、購入後にその宗派に改宗することを求められている事もあり、確認が必要です。
  • 過去の宗旨・宗派は不問:墓地購入後は檀家になってもらいます、という事だと思われます。

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